15年7月7日付・夕刊 (7)サッカー したたか 園児にまで食い込む 野球の常識を破るシステムで少年プレーヤーを育てていた高知県内のサッカー。それはサッカー界で「グラスルーツ(草の根)」と呼ぶ施策の一環だ。プロだけでなく、老若男女、障害の有無を問わず、みんなで盛り上げるという考え方。「上手でなくても全員が試合に出場できる」「子どもは出場の場を求めて気持ち良く移籍できる」を掲げ、2050年には選手、観客、スタッフを含めた「サッカーファミリー」を1千万人に増やすと昨年5月、宣言していた。 取材を進めるにつれ「野球の遅れ」を痛感したが、「完敗だ」と確信したのは高知大学サッカー部の取り組みを知った時だった。 高知大学は週2回、「少年少女サッカー教室」を開いていた。月、水曜の午後7時から1時間半。学生が自分たちの練習終了後に指導する。サッカー部は社会人も含めた県内最強チームで、全日本大学選手権にも四