北京冬季オリンピックの男子スピードスケート。観客席は空席が目立った=北京市内で2022年2月8日、小倉祥徳撮影 熱戦が続いた北京冬季オリンピック。今回は毎日新聞の特派員として、私が経験した素顔の北京五輪を紹介したい。現地では予想外の発見があった。 北京五輪は新型コロナウイルスの感染防止のため、一般の観戦チケットは販売されなかった。選手や五輪関係者らがいる「バブル」と呼ばれる区域は、感染防止のため外部との接触が厳密に遮断された。 北京常駐の特派員は五輪取材を断念 毎日新聞は私を含めて北京に3人の特派員がいるが、北京五輪の競技取材は日本から来た運動部記者らが担当している。事前申請すれば私も選手らを直接取材できるバブル内に入ることは可能だったが、バブルから出る際に、指定のホテルで3週間も部屋の外に一歩も出られない「強制隔離」が義務づけられてしまう。 これでは五輪以外の通常の取材に大きな支障が出る
その瞬間、思わず「あっ」と叫んでしまった。15日の北京五輪スピードスケート女子団体追い抜き決勝。最終周の最終カーブで、高木美帆(日体大職)と姉の菜那(日本電産サンキョー)、佐藤綾乃(ANA)の3選手がつくる日本チームの美しい隊列から、何かが離れていくのが見えた。誰かが転倒したと思ったが、カメラをかまえる第1カーブの出口付近からはよく見えない。数秒後、高木美帆と佐藤綾乃の2人が、ぼうぜんとした表情で目の前を通り過ぎた。そこで初めて、転倒したのが高木菜那と分かった。遅れてゴールし、息も絶え絶えな彼女を撮影するのは、本当につらかった。(共同通信=大沼廉) 【写真】金メダル目前に転倒、高木菜那の背中に手を添える妹の美帆 試合後のセレモニーは、メダルを獲得した選手をそばで撮影できる最高の機会だ。競技が始まる前から交渉し、セレモニーの時間にリンク内側のポジションに入る特別の許可を得ていた。 ただ、私は
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