最新作『街と、その不確かな壁』の韓国語版が2023年9月に発行されたのを機に、「朝鮮日報」が作者の村上春樹にインタビューした。 約6年ぶりとなる長編作品は韓国でも大きな反響を呼び、韓国の大手オンライン書店「アラジン」による「2023年の今年の本」で、読者投票1位(総投票数45万票)となった。 韓国の各書店サイトで、『街と、その不確かな壁』は予約販売で連日総合1位を記録している。過去には『1Q84』や『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』などでも同じような現象が見られた。 作品が発売前から毎回話題になる秘訣は何かという記者の質問に、村上はこう答えている。 「秘訣のようなものは一切ありません。44年かけて熱心に小説を書いてきましたし、その過程で読者の信頼を得たのだと思います。一作一作、少しずつ、信頼を積み上げてきたのです。もちろん言うまでもなく、長い年月が必要な作業です」