京都の人々は、四条河原町のことを「都会」と呼ぶ。 といっても、根拠は数人なんですが。 京都を知らない方のために説明しておくと、四条河原町は四条通りと河原町通りの交わる場所で、京都でいちばん人が集まるところ。つまり京都の「中心」である。京都駅はじつは「中心」とは言いにくい。 そして同居人は、四条河原町に出ることを「都会に行く」と表現する。同居人の友達も「都会」と言うし、京都暮らしの長い大家さん(六十代)でさえ「都会」と言うらしい。要するに、京都では「都会」と言えば四条のあたりだと通じるそうだ。 最初、私は同居人が「都会」と言ったのを聞いて笑った。大げさだからである。私は「都会」とか言われると、どうしても長渕剛的な、コツコツとアスファルト踏みしめてボストンバッグかついでいくイメージが浮かんでしまう。しかしうちから四条までは市バスで20分である。都会としてお手軽すぎる。ポーチで行ける。 「言うよ