2014年に私が個人ブログで公表した2013年の京都大学での給与明細について、2016年3月以降にいくつかのインターネット記事や掲示板のスレッドが公表されて多くの方々の注目を集めた。 高山佳奈子教授が公表した給与明細 その過程でわかったのは、現在の国公立大学の状況、特に2004年4月以降の激変後の制度や実態が、大学関係者以外の方々にほとんど知られていないことである。こうした基本的な前提が共有されていなければ、給与の高低だけを論じてみても、それは誤解に基づく意見となってしまう。 今般、こうした機会を与えていただいたので、社会に対し少しでも情報が提供できれば幸いである。あらかじめ簡単に申し上げれば、現在の国公立大学の制度は、私立大学にかなり近いものに変更されているため、数十年前のイメージで大学を語ると全くの誤解であることが多い。たとえば、私が法学部生であった1990年頃までは、東大法学部教授は