「終わらない日常」は終わったのか?という問いに、この言葉を創った本人である宮台真司は「終わっていない」と断言しました。 この問いに対し、宇野常寛もこう言います。 2012年1月に発行された宇野常寛と濱野智史の対談『希望論』から。 希望論―2010年代の文化と社会 (NHKブックス No.1171)/宇野 常寛 ¥1,026 Amazon.co.jp “宇野 たとえば、震災によって「終わりなき日常」が終わった、という言説があります。 「終わりなき日常」というのは宮台真司さんが用いていた言葉で、当時の消費社会を説明するキーワードだった。言い換えればそれは、ポストモダン状況における「政治と文学」の断絶を意味していました。自分の人生は歴史に意味づけられているという実感が得られず、小規模な人間関係の自意識の問題だけが残された状況ですね。 実際にはここ20年ぐらい、世界史的には激動の時代であるにもかか