――『忘れないと誓ったぼくがいた』は、日本ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー作『ラス・マンチャス通信』とはだいぶテイストの違う物語ですね? 平山 構想自体はデビュー前からあったので、もともと持っていた傾向のひとつとも言えます。ただ、『ラス・マンチャス通信』の色があまりに強かっただけに、「そういう作家だ」と安易にレッテル貼りされてしまいたくなくて、あえて極端に異なる路線のものを二作目としてぶつけたという面はありますね。 ――読み手側からすると、作品の差異にかなり驚かされました。どちらもファンタジー小説と言える部分はありますが、平山さんの中では二作は同じベクトルの上に成り立っているのでしょうか。 平山 まったく別だと自分では思っています。両者ともファンタジー的な道具立ての上に成り立っているのは単なる偶然で、実は書いてる間に使ってる脳の部位まで違うんじゃないかと……(笑)。もっとも、