所属校のゼミで発表したD.リースマンの『孤独な群衆』の要約です。ボリュームのかなりある本ですので、ここですべては語りきれません。重要なことが抜けているようでしたらコメントください。 本書で取り扱われるのは「社会的性格」であり、異なった地域、時代、集団に属する人間の社会的性格の相違や変化である。「社会的性格」とは、性格のなかのさまざまな社会諸集団に共通で、それらの諸集団の経験からうまれた部分のことであり、さまざまな階級、集団、地域、国家の性格だとリースマンは定義し、「社会的性格」を論じるため「伝統指向型」「内部指向型」「他人指向型」という3つのキー概念で個人と社会を類型化した。 それぞれの定義や特徴を大雑把に紹介しておこう。「伝統指向型」とは、中世ヨーロッパや、ヒンドゥ、ホピ・インディアンなどの社会を生きる人々の社会的性格を指す。高度成長潜在的な社会で、人口が増加してもその率は極めて低く、出