タグ

ブックマーク / conception-of-concepts.com (3)

  • 森川嘉一郎『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』要約 | 概念を孕むこと。

    秋葉原のオタク街化の背景を解き明かす書は、2003年に出版されたものだ。私はそれを高校時代に図書館で読んだ記憶がある。 私は中学3年生だった2001年ごろから高校2年生だった2004年ごろまで、かなり熱心に秋葉原に通っていたため、このは非常にアクチュアルなものだった。 今回の再読も、当時のことが思い出され、とても楽しい経験だった。以下、自分にとって記録となるように、書内容を要約しておこう。 書の要約 書の主張の概要―「趣都の誕生」 書は、2004-5年の『電車男』等を経た現在では常識となっているものの、当時はまだ目新しい事象であった、秋葉原のオタク街化―簡単にいえば、秋葉原が美少女イラストで埋め尽くされるようになったこと―についての包括的な論考である。 著者はこの出来事を、タイトル通り、『趣都の誕生』として位置づける。60年代の西新宿のような「官」主導の都市開発、80年代の渋谷

    森川嘉一郎『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』要約 | 概念を孕むこと。
  • クラーク『幼年期の終わり』あらすじ | 概念を孕むこと。

    以下、ネタバレであらすじを要約する。 第一部「地球とオーバーロードたち」では、人類のもとに、人類を圧倒的に凌駕する科学力を持つ異邦人「オーバーロード」が出現。オーバーロードの圧倒的な力を背景とした善導のもと、人類は平和な世界連邦へと統一されていく。 この過程で問題になったのはオーバーロードが姿を見せないということである。それが地球側の不信を増長させていたのだ。 オーバーロードの地球総督カレランと唯一接触できる国連事務総長ストルムグレンがカレランの姿を暴こうとする。これは果たせなかったが、事態を重く見たカレランは50年後に姿を見せることを約束する。 第二部「黄金時代」では、オーバーロードのおかげで世界平和を達成した人類の「黄金時代」が描かれる。それは確かに平和で満ち足りた時代だが、質的な探求が死に絶えつつある時代でもある。どうせオーバーロードが全てをわかっているなら、誰も質的な探求をしよ

    クラーク『幼年期の終わり』あらすじ | 概念を孕むこと。
  • 竹熊健太郎『私とハルマゲドン』簡易要約 | 概念を孕むこと。

    1960年生まれとして、いわゆる「オタク第一世代」のど真ん中である著者の竹熊健太郎が、自らがオタクになった経緯を語り、そこに孕まれている「オウム真理教」とも通底する心理―いわば、オタクの「内的論理」―を明らかにする筆致は、終始冴え渡っており、著者の26年あとに生まれた「オタク」である自分にとっても、とても共感できる―いや、それを超えてある程度は「射抜かれた」という感覚すら覚えさせるものだ。 その射抜く力は、著者のオタク論が、オタクにとどまらず、むしろ、著者の言葉を借りるなら—それこそ数多の文学作品で扱われてきた—「屈折したインテリ」論として一般性を持っているためでもあるだろう。実際、著者にとって、オタクとはまずもって「屈折したインテリ」なのである。 以下では、この「オタク・屈折したインテリ・オウム」の内的論理についての著者の叙述を要約しておこう 書の要約:オタクの「内的論理」 1960年

    竹熊健太郎『私とハルマゲドン』簡易要約 | 概念を孕むこと。
  • 1