「情報が多すぎる」問題は、情報の発信者であるジャーナリストの側にとっても、致命的だ。自分がいくら「これが良い情報だ!」「この記事を読め!」と書きまくっても、読んでくれる人がなかなか現れてこない可能性があるからだ。いままでのマスメディア時代だったら、多くの人の目に触れる導線である新聞や雑誌などの掲載場所さえ確保しておけば、みんなに読んでもらうことができた。しかしネット時代においては、「みんなが見ているサイト」なんていうものがそもそも幻想でしかないので、掲載場所を確保したからと言ってそれが読まれるという保証は何もない。 そういう状況の中で、ジャーナリズムの役割も少しずつ変容し始めている。それはジャーナリズムの持っている役割が拡大しているのかもしれないし、あるいは別の場所へと移行し始めているのかもしれない。いずれにしても、カバーする範囲が変わってきているのは事実だ。 その最も端的な例が、今回から