前例のない落語ガイド本が登場した。広瀬和生さん(48)の『この落語家を聴け!いま、観ておきたい噺家51人』(アスペクト)。年に1600席を聴くという落語通が、オススメの噺家を独断で選んだ。木戸銭はオール自腹。選考基準はズバリ、高座が面白いかどうか。知名度もキャリアも関係なし。落語版の“ミシュラン”だ。 広瀬さんの本業はハードロック専門誌「BURRN!」の編集長。落語は中学生のころから趣味で聴いていた。いま年間350日は高座に通い、1600席以上を聴く。それ以外の日は海外出張だというから、つまりは毎日が落語漬けだ。 「(2001年の)9・11以来、海外出張が減って、夜にけっこう時間が取れるようになった。いま見ておかなければと(立川)談志を全部見はじめて…そのうちに今のペースになってました」 年間1600席という驚異的なペースは、この3年ほど継続中。そのうちに、編集者らしい使命感が芽生えたとい