ミラー・ニューロンの発見により、人類は他者の行為を自分の行為として脳内でシミュレーションすることや、自分の行為を見つめているもう一人の自分の存在があることが明らかになった。ミラー・ニューロンの存在場所が脳内で言語活動を行っているとされる言語野であるということは、言語活動や認識の問題と関連しそうである、といったアイデアを多くの研究者に抱かせるが、多くはこれらを早計に結びつけることを戒めているのが現状である。ここでの考察は、戒めるのではなくさらに踏み込んだ仮説を展開する。 なぜならこれまで明らかにしてきた内容は、これから提唱する仮説によって総て説明がつくという内容であるので、アニミズムの発生と言語活動との関係をさらに掘り下げ、言語そのものの発生と、言語的思考、自我および自己認識の出発、意識の発生という根源的な疑問に答えを見つける入り口を提供するものであると信じるからである。 ここで、言語につい