震災2カ月後にシンガー・ソングライターの七尾旅人さん(中央)らと被災地の福島県南相馬市を訪れたレイ・ハラカミさん(左端)=撮影・梅原渉 東日本大震災・東京電力福島第1原発事故から約4カ月後に40歳で急逝した京都の電子音楽家、レイ・ハラカミさんは「被爆2世」だった。「宿命」を背負う者として被災地に特別な思いを寄せていた。「震災が起きてから、彼の気持ちがかなり疲弊していく様子が感じられたので、これは何とかしなくちゃいけないと、京都まで会いに行ったんですよ」。米ニューヨークに住むシンガー・ソングライターの矢野顕子さんは取材に対し、ハラカミさんと最後に会った時のことを明かした。(THE KYOTO 樺山聡) ■「yanokami」で制作のさなか ハラカミさんの音楽を「世界遺産」と高く評価する矢野さんは、ハラカミさんと2人組のユニット「yanokami」(やのかみ)を結成していた。京都とニューヨーク