折口 信夫(おりくち・しのぶ)(1887 - 1953)は、日本の民俗学、国文学、国学の大家で、「折口学」と総称される学問の体系を完成し、日本の民俗学の形成に大きな影響を与えた人物です。 歌人としても有名で、釈迢空(しゃく・ちょうくう)の名前で多くの詩歌を発表していますが、 女性が作った料理は口にしないといわれていたほどの女嫌いで、そのため、生涯、独身を通し、身の回りの世話は若い男の弟子に任せていました。 最初に同居した弟子は鈴木金太郎で、その後、養子となる藤井春洋と同居していますが、これら弟子たちとは同性愛関係にあったといわれています。 本書の著者、加藤守男は、折口信夫の弟子の一人で、昭和18年に陸軍予備少尉として招集された藤井春洋の後釜として、折口と同居して身の回りの世話をすることになるのですが、 折口の死後、十数年、経過した1967年に、折口と同居していたときに折口から執拗に肉体関係