祖父・吉田茂の言葉 手嶋 大臣は、まさに吉田総理のすぐ傍らにおられて、当時の最高の国家機密を聞いていた。それを取材に来た大物記者たちのふるまいに嫌気がさして、それ以来、メディアとのコミュニケーションができなくなったという指摘もありますが。 麻生 いやいや、あの頃吉田番として本当に入り込んでいた記者というのは3、4人ですから。朝日新聞の小島安信さんとか、皆独特の人でした。 あれ、記者にこづかれてマスメディアが嫌いになったんじゃなかったんですか。 手嶋 そういった方々は、みな本当の意味で書かない大記者ですよね。 麻生 絶対に書かない。吉田茂は長く海外にいて、戦争がはじまったら情報が遮断されてしまい、基本的に国内のことにはまったく無知だった。それがいきなり昭和21年に大命降下みたいな形で内閣総理大臣になった。新憲法下での初めての選挙が昭和22年の片山内閣のとき。どの政治家がどうだなんてまったく知