円高が止まらない。政府やマスコミはこれまで、円高の要因について欧州経済危機、最近では米国の債務上限問題と説明してきた。 ところが、米国の債務上限問題が解決しても、円高がおさまらなかった。そこで、急に米国の景気の先行き不透明などと変えた。その場しのぎで外国に要因を求める姑息なやり方だ。 為替の動きは複雑でその要因もいろいろだ。しかし、何が一番有力なのかが重要だ。為替では、金利差、貿易収支、国家の信認で説明する有識者が多い。為替は二国間の通貨交換比率なので、二国間の金融政策の差が影響するのは当然だから金利差は一つの説明項目だ。しかし、貿易収支のようなフロー項目はほとんど関係ない。さらに、国家の信認となるともはや雰囲気のみのお話レベルである。 本コラムで何度も繰り返しているが、為替については、通貨の相対量の問題で、過少のほうが価値が高まる。リーマン・ショック以降、これでかなり説明できる。対