「四角い函」 メロンパンを焼いています。 一息ついてコーヒータイム。 今日は人通りも少なくて 朝から商売は 上がったりです。 そうだ こんな日は昔のことをちょっと書いておこう という気になり、 「四角い函」 を書き留めます。 昔バイプレーヤーと言いますか、名脇役と言われた俳優に 自らは“初代文句雄之助”と名乗った男がおりました。 顔の長~い俳優さんで、独特なせりふ回しが特徴でした。 名前を 伊藤雄之助 と言いました。 お肉が好きでいつも肉食で、突き出しに添えられる野菜やことにレタスなど、「こんな紙っ切れみたいなもの 食べられるもんじゃあ ありませんよ」と言いながら、箸でどけます。 50代で心臓発作?で倒れました。 動かなくなった身体に鞭打って、 あの愛宕山の階段を、毎日毎日のぼりました。 「俺には役者しかできない。ヨイヨイの俳優なんぞ誰も使っちゃあくれない。」 それはそれは 鬼気迫る形相で