どうやら、安倍政権はブラック企業の味方のようだ。その証拠に、6月にまとめる成長戦略に「労働時間の規制緩和」(ホワイトカラー・エグゼンプション)が盛り込まれようとしている。規制緩和というと聞こえはいいが、過去には「残業代ゼロ法案」「過労死促進策」と批判を浴びたシロモノだ。過去2度も導入に失敗したのに、またぞろ議論の俎上(そじょう)に載せたのである。 懲りない安倍に、ブラック企業の経営者はニンマリだろう。社員をモノ扱いしている企業が増えているが、政府はそんな実態を黙認どころか、「お墨付き」を与えることになるからだ。 「制度の趣旨は、実際に働いた時間と賃金の関係を切り離すもので、『裁量労働制』よりもさらに徹底して正社員を深夜・休日の割増賃金の支払い対象から外すことです。実現すれば、ブラック企業の経営者にとって、社員はますます『定額使い放題』になる。社員には『無限サービス残業地獄』が待っていま