有効求人倍率(1.09倍)がバブル期以来の高水準に回復し、完全失業率も4年連続減少している。安倍政権は雇用の改善を強調し、アベノミクス効果を高らかにうたう。しかし、希望する正規の職がなく、やむなく非正規雇用を選ばざるを得なかった労働者は国内で300万人以上に上る。政権の後ろ盾となっているデータ通り、果たして就労環境は改善されているのだろうか。非正規社員の職場を歩くと、悲鳴の声が上がっていた。 【教えてワークルール】働く人を守る労安法とは 「正社員にする」。企業や学校の送迎運転を請け負う会社で契約社員として働く福岡県内の30代の男性は昨年、上司からそう言われた。2歳上の交際相手との結婚に踏み切るきっかけになった。しかし、その後「約束した」上司は異動。正社員の話は宙に浮いたままだ。 かつては運送会社に正社員で勤めたが、過労で倒れるなどして退職。その後、契約社員で勤めた別の会社ではガソリン高
政府は、介護保険サービスの公定価格である「介護報酬」を、来年度から引き下げる方針を固めた。引き下げは9年ぶり。急増する介護費用の抑制が狙いだ。財務省と厚生労働省で下げ幅の調整が続いているが、2〜3%が軸になりそうだ。 介護報酬は3年に1度見直しがある。介護サービスの料金なので、下げれば事業者が受け取るお金が減る。結果としてサービスの質が低下したり、介護スタッフを集めにくくなったりする心配がある。 一方、下げれば介護保険の支出が減る。税金や介護保険料はその分少なくてすむ。使ったサービス費用の1割の利用者負担も減る。介護報酬を全体で1%下げると、これらの支出は計1千億円減る計算だ。
「ブラック企業」がますます横行? 労働者派遣法改正「3年制限撤廃」で何が変わるか 弁護士ドットコム 10月12日(日)12時0分配信 条文のミスという異例の事態で廃案になった「労働者派遣法」の改正案が、秋の臨時国会に提出された。成立すれば、最長3年ごとと定められている業種ごとの派遣期間の制限が撤廃される。 現行法では、労働者派遣が固定化することを防ぐため、通訳など26の専門業務を除いて、業務ごとに最長3年までの派遣期間に制限しているが、改正案ではその制限を撤廃。3年ごとに派遣労働者を変えれば、どの業務でも無期限で仕事を任せることが可能になる。 改正案については、「企業が業務を円滑に進められる」「派遣労働者が様々な仕事を経験する機会が増える」という意見の一方で、「不安定な非正規雇用が増える」との批判もある。改正案で派遣労働はどう変わるのか。今泉義竜弁護士に聞いた。 ●「派遣から正社員と
「辺りは暗くなってきました。機内に硫黄のような臭いが立ち込めています」――。長野、岐阜県境にある御嶽山の噴火の様子を、情報番組のリポーターがヘリから伝えた。 すると、放送からわずか1分後。東大教授から「硫黄は無臭だ」とツイッターでツッコミが入った。 ■「化学で習ったでしょといつも思う」 ツッコミを入れられたのは、2014年9月28日放送「真相報道 バンキシャ!」(日本テレビ系)の冒頭でヘリからリポートをした濱田隼平アナウンサーだ。山頂から約5キロの地点で、迫力ある映像とともに御嶽山の状況を伝えていた。 これに即座に反応したのが東大大学院理学系研究科の鍵裕之教授。「バンキシャの冒頭、御嶽山からのアナウンサーのレポートは『硫黄のような臭い』で始まったが、硫黄は無臭だ」と、該当する場面の放送からわずか1分ほどでツッコんだ。 温泉街などで感じる、いわゆる「硫黄の臭い」は硫黄と水素の化合物
なぜ経済大国・日本で「餓死者」が出るのか 「悲劇」を防ぐ手段はどこにある? 弁護士ドットコム 1月15日(水)11時26分配信 電気、ガス、水道が止められ、冷蔵庫にはマヨネーズなどの空容器のみ……。そんな大阪市の団地の一室で昨年11月中旬、31歳の女性の遺体が発見された。死因は餓死か衰弱死とみられ、死後1〜2カ月経っていたという。 報道によると、この女性は約4年前に生活保護の相談で区役所を訪れたものの受給には至らず、最近は「お金がない」と親族に訴えていたという。経済大国といわれる日本だが、餓死や孤立死などの悲惨なニュースは絶えることがない。生活保護に対する風当たりは強まり、行政による窓口対応の問題点も指摘されている。 結局のところ、食うにも困るような「生活苦」に陥ったら、途方に暮れるしかないのか。今回のような悲劇を防ぐには、どうしたらいいのだろうか。貧困問題に取り組む戸舘圭之弁護士に聞
シロクマが、ミドリグマに?――名古屋市の東山動植物園にいるホッキョクグマの体毛が昨年、半年間にわたって緑色になった原因について、岡山理科大の福田勝洋教授(動物形態学)らが調べたところ、体毛の表面に微小な穴が多数開き、藻が侵入して増殖していたことがわかった。 国内外の動物園でも過去に数件、同様のケースが報告されており、同教授は「本来の白いクマを見られるよう、研究成果を飼育方法に生かしたい」としている。 同園などによると、昨年7月から12月にかけ、オスとメスのホッキョクグマ2頭のほぼ全身が濃い緑になった。何度洗っても落ちず、「これではミドリグマだ」との声が多く寄せられた。市議会でも取り上げられ、市は対策研究会を発足、福田教授らが調査していた。 ホッキョクグマの体毛は無色透明だが、ストローのような特殊な構造で、光が散乱して白く見える。当初は、地面に体をこすって傷んだ毛に、施設内のプールで、
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