熱帯夜が続いて睡眠不足になり、日中の暑さで体のだるさが増す──連日の猛暑でそんな悪循環が生まれている。寝苦しい夜にぐっすり眠るための、睡眠時のエアコンの正しい使い方を紹介しよう。 【1】「クーラーで部屋をキンキンに冷やす」は逆効果 睡眠と密接な関係があるのは「深部体温」だ。普段、体温計で計っているのは皮膚の表面体温で、深部体温とは内臓の温度のことを指す。作業療法士でベスリクリニック睡眠外来担当の菅原洋平氏が説明する。 「深部体温を下げていくと人間は眠くなります。内臓の温度を下げるには、まず汗をかくことです。汗が蒸発する時に体内の熱を気化熱として奪い、深部体温が下がっていきます。寝る時にエアコンをつけて部屋を一気に冷やしてしまうと、表面体温だけが急激に下がり、深部体温は高いままで眠りに入りにくくなってしまいます」 【2】設定温度は寝る前が「25度」、寝る時は「29度」 悩ましいのはエアコンの