およそ200年前の江戸時代後期、今の東京 八王子市に、”巨大な”隕石(いんせき)が落ちたことをご存じでしょうか。日本最大とも言われる「八王子隕石」です。落下の事実自体は当時の記録にたくさん残されているのですが、なぜか隕石そのものが残されていません。江戸幕府に届けられたことまではわかっているのですが、その後は行方知れずになり、長年「謎の隕石」とされてきたのです。このほど、唯一残されていた、八王子隕石のかけらではないかとされる石について、本物かどうか、最新の科学技術で分析が試みられました。ついに日本最大と言われる謎の隕石は、見つかったのでしょうか。(科学文化部記者 大崎要一郎) 文化14年、西暦1817年の12月29日の午後2時ごろ、甲州街道沿いにある宿場町だった今の八王子市とその周辺の日野市や多摩市に、雷のようなごう音とともに隕石の雨が降り注ぎました。その音は50キロ離れた江戸にも伝わったと