顧客との継続的関係を維持するアプローチとしておなじみのCRMに、新しい流れが起こりつつある。「顧客による経験」を換算するそれは一体……。 CRMに失望 顧客との継続的関係を維持するアプローチは、1980年代に登場したリレーションシップ・マーケティングや、1990年代のワン・トゥ・ワン・マーケティングを経て、2000年を前にCRM(顧客関係管理)として開花。顧客の購買行動を分析し、そのプロセスを管理することを重点目的としたCRMは、一世を風靡した。 しかし、取引やオペレーションに焦点を絞りすぎ、限定された接点(コールセンター、メール、購買履歴など)による量的な情報の記録に集中するなど、顧客との情緒的な関係(リレーションシップ)を築けないとの批判から、一時はその理念や効果の是非が議論されることとなる。 そんな中、機能的な製品特性や取引のみならず、意思決定や購入、使用を通じて顧客が企業との接点で