不調を乗り越えてロシア杯優勝をもぎ取った町田、GPファイナル、そして全日本選手権へ向け意味ある大きな一戦だった 【森美和】 「今の自分は、昨日や一昨日より数倍強くなっている」。GP6戦目のロシア杯(11月22〜24日)を257.00点で逆転優勝した町田樹は、力強く言い放った。スコア自体は、スケートアメリカの265.38点に及ばない。しかし町田にとっては不調のコンディションに打ち勝った、意味ある一戦だった。 不調は西日本選手権(11月1〜4日)のあとから始まった。4回転どころか、トリプルアクセルも決まらない状態。ロシア杯でモスクワ入りしてからも、ジャンプは不安定なままだった。昨季はGPシリーズの好調から一転、12月のGPファイナルで失速しただけに、同様にペースが落ちていく不安が頭をかすめた。 試合前夜、ホテルの部屋に戻ると、インターネットでクラブミュージックのラジオ番組をかけ、気持ちを紛らわ