『即興詩人』(そっきょうしじん、丁: Improvisatoren)は、デンマークの作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンが1835年に発表した小説。作者の初めての長編小説で、イタリア各地を舞台としたロマンティックな作品である。 童話作家となる前のアンデルセンが、1833年から翌34年にかけ、イタリア旅行で訪れた体験をもとにまとめ上げた自伝的小説で、1835年に刊行された。イタリア各地の自然と風俗を美しく描いたこの作品は、発表当時かなりの反響を呼び、ヨーロッパ各国で翻訳出版されることになり、作者の童話出版に向けての意識を高めるものとなった。 近代日本では森鷗外が、ドイツ語版より約10年かけ翻訳紹介し、その雅俗交えた文語体により多くの作家に影響を与えた。 ローマはピアツツア・バルベリイニ(バルベリーニ広場)の貧しい家に生まれた少年アントニオは、思いつくままに詩を紡ぐ即興詩人になることを夢見
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