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ブックマーク / synodos.jp (52)

  • 福島の「帰還か移住か」を考える――経済学の視点から/中西準子×飯田泰之 - SYNODOS

    科学物質のリスク評価を長年研究してきた中西準子氏による『原発事故と放射線のリスク学』(日評論社)が刊行された。専門家同士の垣根を越えた対談と、除染に関する目標値の提案を柱にした書は、「タブー」とされてきた数々のものに、リスク評価の観点から切り込んでいく。今回は、第3章「福島の「帰還か移住か」を考える――経済学の視点から」より飯田泰之氏との対談の一部を抄録した。(構成/柳瀬徹) 中西 福島第一原発事故により、第一原発周辺地域では今でも多くの方々が避難や移住を強いられています。除染も思うように進まず、補償の方向性も定まっていません。 とくに除染に関しては莫大な費用がかかる上に、おそらく政府が目標として設定している線量まで低減できない区域も出てきてしまうでしょう。はたして除染と帰還だけを前提にした政策が正しいのか、経済学的な視点で分析していただくとどうなるのだろうというのが、飯田先生にお話を

    福島の「帰還か移住か」を考える――経済学の視点から/中西準子×飯田泰之 - SYNODOS
  • 「被曝を避ける権利」を求めて/河崎健一郎×荻上チキ - SYNODOS

    原発事故に伴う混乱の中で、法律の専門家が向き合ったものはなにか。「原発事故・子ども被災者支援法」の成立に携わった河崎弁護士と荻上チキが語りあう。電子マガジン「α-Synodos」143号より転載。(構成/山菜々子) 荻上 今回は、「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク」(SAFLAN:サフラン)の共同代表をされている河崎弁護士にお話を伺いたいと思います。河崎さんとぼくは色々な仕事でかかわっていて、いつも明晰さとアクティブさに敬意を抱いています。「原発事故・子ども被災者支援法」(以下、「子ども被災者支援法」)の成立にも関わり、積極的にロビイング活動もされていますよね。震災以前は、どのような法律問題に取り組んでいたのでしょうか。 河崎 20代のころは経営コンサルティングの会社にいたこともあって、ビジネスサイドの仕事が中心でした。一方で、30代になり、弁護士登録した直後がちょうど「派遣村」

    「被曝を避ける権利」を求めて/河崎健一郎×荻上チキ - SYNODOS
  • 原発事故による「ふるさとの喪失」は償えるのか/除本理史 - SYNODOS

    福島原発事故による避難者数は、震災発生から3年が経とうとする今も、約14万人にのぼる(2014年1月末現在)。事故後、9つの町村が役場機能を他の自治体に移転し、広い範囲で社会経済的機能が麻痺した。一部の自治体は、役場機能を元の地に戻しつつあるが、住民の帰還は見通しがたい。 筆者は2011年5月から、共同研究者とともに原発事故被害の実態調査を開始した。それまでの公害問題研究の経験を、少しでも活かせないかと考えてのことである。同年7月には、福島県内外で避難者の方々からの聞き取りをはじめたが、ほどなく、国の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)が、事故被害のうち賠償対象となる最低限の範囲を示す「中間指針」を公表した(8月5日)[*1]。 その内容は、最低限の指針とはいえ、避難者から聞かれる被害実態とあまりに隔たっていた。とくに実感されたのは、「ふるさとの喪失」というべき重大な被害が等閑視されているこ

    原発事故による「ふるさとの喪失」は償えるのか/除本理史 - SYNODOS
  • 特定秘密保護法と「社会的なるもの」/大屋雄裕 - SYNODOS

    昨年12月6日、「特定秘密の保護に関する法律」(以下「特定秘密保護法」)が衆参両院における「強行採決」を経て成立した。 同法案に対しては周知の通り相当の批判があり、また自民党や与党である公明党からも問題点を指摘する声が相当数出たためか、日維新の会・みんなの党との合意にもとづいた修正が加えられることとなった。 そこで以下では、成立時の条文を前提として、特定秘密保護法がなにを定めた法律であり、どのような問題を含んでいるかについて説明したのち、法案をめぐる議論がしめすものについて述べることにしよう。 なおそもそも国民に対する秘密を作る法律などというものがなぜ必要なのか(あるいはどのような条件があれば不要なのか)という問題については別稿で論じているので参照していただければありがたい(大屋雄裕「秘密と近代的統治:「特定秘密」の前に考えるべきこと」『図書新聞』3140号(2014年1月1日)、図書

    特定秘密保護法と「社会的なるもの」/大屋雄裕 - SYNODOS
  • なにを壊され、なにを奪われ、なにを背負わされたのか/『人間なき復興』著者・市村高志氏インタビュー - SYNODOS

    福島第一原発事故から3年が経とうとし、今もなお10万人以上が避難生活を続けている。今、原発避難をめぐり何が起こっているのか。社会学者と被災当事者の21時間にも及ぶ議論を基に、『人間なき復興』(明石書店)が昨年11月に上梓された。今回は、共著者の一人で、被災当事者である市村高志氏に話を伺った。(聞き手・構成/山菜々子) ―― 市村さんは震災以前どのような生活をされていたのでしょうか。 震災が来るまで、私は福島県富岡町でパソコンの修理や業務システムの構築、生損保の保険代理店などの仕事をしていました。震災当時、中学生の子どもが2人と小学生が1人。私の年老いた母とも同居して6人家族で暮らしていました。3月11日はちょうど長女の中学校の卒業式でした。地震が起きた時は帰宅途中で、ちょうど買い物に立ちよった店の駐車場にいました。 そして、私達は訳も分からず「着の身着のまま」避難しました。私達だけではな

    なにを壊され、なにを奪われ、なにを背負わされたのか/『人間なき復興』著者・市村高志氏インタビュー - SYNODOS
  • 「エネルギー基本計画」よ、どこへ行く――原発を巡る本音と建前/高橋洋 - SYNODOS

    東京都知事選が告示された1月23日。小泉元総理は、都知事候補の細川元総理の応援演説に立ち、安倍内閣の原子力推進の姿勢を批判した。「細川さんが原発ゼロで立候補するうわさが立った途端、エネルギー基計画の決定を先送りしたじゃないか」[*1]。 そこから遡ること40日前の、2013年12月13日。経済産業省の総合資源エネルギー調査会基政策分科会において、「エネルギー基計画に対する意見」(以後、「計画案」)が了承された。これは、エネルギー政策基法に基づいて、政府が3年ごとに策定することになっているエネルギー基計画の原案となるものである。これをもとに基計画が閣議決定されれば、福島第1原発事故後は初めてとなる。 2010年の現行基計画は、2030年の電源構成における原発比率を53%に増大させるものであった(図1)。しかし、2011年3月の福島原発事故を経て、この計画は宙に浮いた。野田内閣は

    「エネルギー基本計画」よ、どこへ行く――原発を巡る本音と建前/高橋洋 - SYNODOS
  • なぜSTAP細胞は驚くべき発見なのか――STAP細胞が映し出すもの/八代嘉美 - SYNODOS

    はやいもので、2014年最初の月はもう終わろうとしている、しかし、そのひと月だけでも、幹細胞研究やがん研究に関するニュースがいくつか報じられていた。 ・小分子RNAによって悪性度の高いがんを正常な細胞に転換させる (鳥取大) ・神経幹細胞の分化制御に関わる小分子RNAを特定 (慶應・理研) ・化合物を加えてiPS細胞に似た集団を得る (京都大) だが1月最終週になって、とんでもない報告が飛び出すことになった。それが、理化学研究所・発生再生科学総合研究センター(理研CDB)のグループリーダー、小保方晴子博士らによる「STAP細胞」の報告である。 STAPというのは「Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency」の略。日語では刺激惹起性多能性獲得細胞、と名づけられているそうだが、ようするに、「とある細胞に刺激をあたえたら、身体を構成するあらゆる

    なぜSTAP細胞は驚くべき発見なのか――STAP細胞が映し出すもの/八代嘉美 - SYNODOS
  • 東京オリンピックの前に、都市社会政策と貧困を考える――フランス、アメリカ、大阪から/川野英二 - SYNODOS

    で「貧困」という言葉が死語に等しかったのは、ほんの数年前までのことだ。そして現在「貧困」という言葉は、必ずしもかつて――つまり、誰もが「貧困」を社会問題と認識していた高度成長期以前――と同じ事態を指すわけではない。 現在「貧困」という言葉は、「社会的排除」とほとんど同義に使われており、その内実は大きく異なっている。もっとも、そのような言葉の変遷とは関係なく貧困がつねに存在していたのはたしかだ。しかしその貧困はなかなか目に見えず、社会問題としても周縁的とみなされ、今日ほど注目されてはいなかった。 海外、とくに欧米では、すでに1980年代から、「新しい貧困」や「社会的排除」という言葉はそれまでの貧困とは異なるものとして注目されてきた。欧州では「排除された者たち」、北米では「アンダークラス」といった言葉が、それぞれニュアンスの違いはありながらも、新しい貧困を指し示す言葉として注目され、また熱

    東京オリンピックの前に、都市社会政策と貧困を考える――フランス、アメリカ、大阪から/川野英二 - SYNODOS
  • わたしたちの自由はどうやって守られているのだろう ―― 繊細な憲法を壊さないために/憲法学者・木村草太氏インタビュー - SYNODOS

    大好評「高校生のための教養入門」シリーズ。第七回目にご登場いただくのは憲法学者の木村草太先生です。一票の格差問題や憲法96条の改正など、ここのところ頻繁に話題にあがるようになった憲法。いまこそ、改めて憲法がなぜ必要なのか、どんな法律なのかを考えるタイミングなのかもしれません。憲法ってなに? 憲法学ってなにを研究するの? 木村先生にお話をうかがってきました。(聞き手・構成/金子昂) ―― 木村先生のご専門である憲法学はどんな学問なんでしょうか? 憲法学は国家のルールを研究する学問です。 憲法という言葉は、1)国家を成り立たせている国民の頭のなかにあるルールという意味と、2)それを明文化した文書という二つの意味があり、専門的には、1)頭の中のルールの方を「憲法」、2)文書の方を「憲法典」と呼んで区別します。多くの人がイメージする憲法は、後者の「憲法典」の方でしょう。 憲法と憲法典にはズレがある

    わたしたちの自由はどうやって守られているのだろう ―― 繊細な憲法を壊さないために/憲法学者・木村草太氏インタビュー - SYNODOS
  • 生活保護法改正法案、その問題点/大西連 - SYNODOS

    の社会保障が危ない 5月17日、「生活保護法改正法案」が安倍内閣によって閣議決定され、今国会に提出される運びとなった。現在、「生活保護」など、日の社会保障のあり方をめぐる議論は加速度的に動いている。 社会保障をめぐる大きな流れ ・社会保障制度改革国民会議 → 年金・医療・介護などについて議論中 ・生活保護(生活扶助)の引き下げ → 8月から実施予定(削減案は予算成立) ・生活保護法改正案 → 閣議決定し今国会に提出 ・生活困窮者自立支援法(生活保護の見直しも含む)→ 閣議決定し今国会に提出 ・こどもの貧困対策法 → 議員立法予定 このように追いかけていくのが大変なくらい、同時進行的に、今後の社会保障の方向性を左右する非常に大きな議論が進められている。各法案や施策案に関しては、それぞれが提出された「背景の文脈」は必ずしも一致しない。しかし、いずれも社会全体のセーフティネットの根幹に関わ

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  • 現代インドにおける女性に対する暴力 ―― デリーにおける集団強姦事件の背景を探る/田中雅一 - SYNODOS

    現代インドにおける女性に対する暴力 ―― デリーにおける集団強姦事件の背景を探る 田中雅一 文化人類学 / ジェンダー・セクシュアリティ 国際 #デリー集団強姦事件#名誉にもとづく暴力#イヴ・ティージング#Eve-Teasing 現代インドには、さまざまな暴力があふれている。宗教間、階層間、そして国境を接するパキスタンとの軍事的対立やテロ攻撃。その中でも無視できないのが女性に対する暴力(Violence against Women:VAW)である。 女性に対する暴力のほとんどは、個別になされる。被害者は多くても一人か二人である。テロリストによる公共施設の爆破やカースト間の対立のように、大量の死傷者が出ることはない。メディアが注目することもない。しかし、その頻度や地域的な広がりは、それ以外の暴力をはるかに凌駕している。 女性に対する暴力が問題なのは、それが深刻な暴力とみなされていないだけでな

    現代インドにおける女性に対する暴力 ―― デリーにおける集団強姦事件の背景を探る/田中雅一 - SYNODOS
  • 橋下徹大阪市長「性風俗業と従軍慰安婦問題」についての発言【3】(2013年5月16日)/大阪市長・橋下徹氏登庁時ぶら下がり取材文字起こし - SYNODOS

    橋下徹大阪市長「性風俗業と従軍慰安婦問題」についての発言【3】(2013年5月16日) 大阪市長・橋下徹氏登庁時ぶら下がり取材文字起こし 政治 #橋下徹#風俗#従軍慰安婦 「橋下徹大阪市長「米軍の風俗業活用を」はいかなる文脈で発言されたのか(2013年5月13日)」掲載後、橋下徹氏の発言に対し、ふたたび賛否両論が巻き起こった。その後の橋下氏の発言を追う。(編集部註:一部文章を整えています) ●橋下徹大阪市長「米軍の風俗業活用を」はいかなる文脈で発言されたのか(2013年5月13日):https://synodos.jp/politics/3894 (冒頭音声なし) 橋下 ……まだきちんと説明していけば理解を得られるという思いで説明していきたいと思っています。 ―― ただ3月首長会の時点では非常に厳しい状況だということはわかっていたと思うのですが、交通の場合はこの間改正案を出されたりいろいろ

    橋下徹大阪市長「性風俗業と従軍慰安婦問題」についての発言【3】(2013年5月16日)/大阪市長・橋下徹氏登庁時ぶら下がり取材文字起こし - SYNODOS