「一律10万円の(特別定額給付金の)給付を巡り、てんやわんやの状態が続いている。批判ならいくらでも言えるが、技術者としてもっと社会に役立つことをしたい。必要十分な時間をかけて給付の仕組みを作り直せるとしたら、どう設計するか。ステイホームをしながら、給付システムの仕様を皆さんと考え、公開してみたい」 2020年5月15日に開催された『「給付金管理システム」のモデルをアジャイルに考えよう<第79回IT勉強宴会inZoom>』の冒頭、渡辺幸三氏はこう切り出した。会合の名称から分かるようにビデオ会議ツールZoomを介して、筆者を含む約30人が参加した。 渡辺氏は三要素分析法と呼ぶ設計手法の提唱者で、今回の会と同名の「IT勉強宴会」というNPO法人の副理事長を務める。同会には業務システム設計のプロフェッショナルが集まり、主としてモデリングに関して意見交換を重ねている。 データモデルは業務そのもの 今