「CIO(最高情報責任者)なんてアルファベット3文字でかっこよさそうだが、あれはねぇ、役員にとっては貧乏くじだよ」。以前、ある大企業でCIOではない役員に真顔で言われて面食らったことがある。 その時は理由を聞く時間が無かったので、なぜ貧乏くじなのかがなぞのままだったが、つい最近、別の企業で全く同じ話を聞いて驚いてしまった。その場で理由もようやく判明。要は、取締役クラスの企業幹部にとって、CIOを引き受けると、「IT部長やIT部員が日ごろ愚痴っているのと同じ状況」を背負い込むことになるのだ。 と書いても大半の読者は何のことか全く理解できないと思うので、順を追って説明する。まず日本企業、特に大企業にとって「CIOとは何ぞや」、である。読者もよくご存じと思うが、日本企業で「CIO」の肩書を持つ役員はごく少数だ。そこで問題になるのが「CIOの役割を果たす幹部は誰か」である。 一番分かりやすいのは、
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