◇小菅洋人(こすげ・ひろと=毎日新聞編集編成局次長) 欧州経済危機の震源地になったギリシャの政局は、国家の破綻を目前にしながら政党が一致して立ち向かうことがなかなかできない。それは東日本大震災を「国難」と言いながら、政争に明け暮れた永田町の攻防を鏡で見ているようだ。パパンドレウ首相は自分の進退と引き換えに混乱の収拾をはかり、退陣を示唆することによって内閣不信任決議案を否決に導いた我が国の前首相のケースとよく似ている。 ギリシャの次の危機と指摘されるイタリアとて同様で、両国が示す教訓は増税や国家サービスの縮小など国民の痛みを伴う改革は与野党が協力して取り組まなければ、とても前に進まないということだろう。ましてや日本は参院で野党が多数を握るねじれ国会であり、野党の協力を得なければ法案が通らず、改革は絵に描いた餅になってしまう。 ◇来年解散の可能性が低い2つの理由 それでも日本の混乱した政局は、