私にとって言葉とは、溢れてくるものじゃない。 ぺたんこになった歯磨き粉のチューブをぐるぐるに丸めてひねり出して、やっとちょぴっと、申し訳程度に出てくるようなもの。 対面で話す時もそう。ブログを書くときだってそう。もう捨てていいようなチューブをケチくさくいつまでも搾っている。中身なんてないのに。 …… おばちゃんのコミュ力ってのはすごくて、初めて会ってもまるで十年来の友人みたいに親しげで、「今日の天気」っていう話題からいくつもの枝が分かれて無限の宇宙を作り出す。 会話っていうのは連想ゲームなのかなぁと思う。でも、自分が連想しようとしても、うまくいかない。 「いい天気ですね」 「そうですねー」 「……」 終了。それ以上話が膨らまない。世界が一ミリも広がらない。なぜ。 …… あぁ、みんな私には見えないものが見えて、感じないものを感じているんだなって思う。 私にとってこの世界は無味無臭でなんの面白