掛け算九九の九の段 経営学科教授 佐藤 成紀 昨年の秋,小学2年の息子が学校で面白いことを習ったと喜んで帰ってきた.「掛け算九九の九の段は覚えなくてもいいんだよ」と両手を広げてニコニコしている.両手のひらを自分に向けて,左手の親指から順番に,一本ずつ指を折っていき,折った指の左の指の本数が十の位,折った指の右の指の本数が一の位を表すので,暗記しなくてよいと言うのである.左の親指を折ると,その左には指がないので,十の位はゼロ,右側には九本あるので,九一が九.左手の人差し指を折ると,左に親指一本と右に八本なので,九二十八.最後に右手の人差し指を折ると,左に八本と右に一本なので,九九八十一. 得意の笑みでしたり顔の息子に,「なぜそうなるか,説明して」というと,「えーっと」と考え始めた.とりあえず,でたらめなロジックで,いろいろ話し始めたが,十分ほどで,なんとか説明のつきそうな答えに近づいてきた