脳科学者の茂木健一郎氏と、Ruby開発者のまつもとゆきひろ氏の対談の後編です。前編は「言語デザイナーの脳」をお届けしましたが、後編は「日本のエンジニア」がテーマです。その優秀さはお二人ともが認めていました。 茂木 Rubyというプログラミング言語を、まつもとさんは独力で開発された。プログラムを組むより言語そのものに興味があったという話は前回お聞きしましたが、組織ではなく個人で活動をスタートさせたわけですよね。 まつもと はい。私のように個人ベースで言語をデザインする人は少なくありません。 茂木 ただ、個人の活動が必ずしもうまくいくわけではないですし、Rubyのようにヒットするケースはまれでしょう。パラノイアというと大げさですが、何かにすごくこだわっている個人が物事を成功させるのだと思うんです。 その半面、こうした人にはどこかに弱い部分があることも珍しくないです。まつともさんはどうなのでしょ