グレーゾーンにこそ人生のリアリティがある 秩序からの逸脱というと、暴走する人を褒め称えているみたいに聞こえるかもしれませんが、ちょっとイメージを変えていただきたいのです。 それは自分の秩序に従わない他者を迎え入れることを意味します。それにはトラブルがつきもので、人と人が傷つけ合うことがまったくないなんてことはありえません。多かれ少なかれ、自分が乱される、あるいは自分が受動的な立場に置かれてしまうということにも人生の魅力はあるのです。 このことからして、すでに話は脱構築的になってきています。 自分で自分の行動をきっちりコントロールでき、主体的・能動的であるべきだ、受け身になるのはよくない、という考え方が世間には強くあるし、自己啓発でもよく言われます。だけれど、我々は他者とともに生きている。他者に主導権があり、それに振り回されることがしばしばある。そのことがイヤなようでもあり、そこにこそ楽しさ
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