ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川(享年87)による「性加害」が今年、日本国内でクローズアップされている。 2019年に87歳で亡くなったジャニー氏が事務所の少年たちに性加害を繰り返していたというこの問題については、過去にもメディアが報じてきた。1999年10月から14週にわたって『週刊文春』(文藝春秋)が報道を重ねたところ、ジャニーズ事務所が記事は名誉毀損にあたるとして提訴したが、性加害の事実はあったと認定する判決が2004年、最高裁で確定している。 裁判所が芸能事務所の創業者による性加害を認めたというインパクトは非常に大きいものであるはずだ。しかし当時、これを取り上げた新聞社はほとんどなかった[★1]。今年6月の朝日新聞記事には、当時の判決を報じたか否か、新聞社だけでなくテレビ局にも回答を求めた結果が記されているが、それによると「全国紙4社と在京のテレビ5局にこの時期の報道内容