イギリスでは、首相キャメロンが、過去30年にわたるイギリスの多文化主義政策の失敗を宣言し、これに闘いを挑みはじめた、と広く報道され、物議を醸しています(※1)。具体的には、 2月5日に、キャメロンが、ミュンヘンで開催された安全保障会議にて、英国における国家多文化主義政策(state multiculturalism)は、たとえば英国内のいくつかのイスラム社会でみられる強制結婚など、個人の自由の侵害状況を許容してしまっており、また、テロリズム の温床にも結びついていると指摘し、「率直にいって、近年の受け身の寛容を大幅に減らし、ずっと積極的で力強いリベラリズム(muscular liberalism)が必要だ」と述べたのです。 演説を聞いてみると、女性の権利を尊重していないと思われる原理主義的なイスラム諸団 体に対して、より厳しい姿勢を今後イギリス政府がとることを示唆するなかでの発言であり、そ