堤:議論はあったようですが、市の施設を自腹も切って用意し、そこで地域の先生方の連携で発熱外来をやると決めました。その運営を通して、お互いの話がかみ合うようになり、何よりも顔が見えるようになっていった。これが大きいんですね。 ―― 顔が見える、というのは、もうちょっとかみ砕くとどういうことなんでしょう。 堤:医師会の方は、「行政はこういうことはできる、こういうことは苦手なんだ」というのを結構分かってくださっている。行政の判断では難しいところは「じゃあこれは医師会の判断でしましょう」と言ってくださったりするし、我々もその逆を提案できるようになった。それが「かみ合っている」というお互いの認識につながっているんだと思います。 ―― うーん、ちょっと分かりにくいです……。 ルールに縛られている間、ワクチンは冷凍庫で眠ってる…… 堤:例えば、医療関係者分のワクチンと高齢者分とのやりくりです。我々行政と