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●青山学院大学文学部日本文学科編『異郷の日本語』(社会評論社) ※佐藤泉の「いかんともしがたい植民地の経験-森崎和江の日本語」に、こういう箇所がある。 支配者の娘森崎は、朝鮮にあっても一貫して「日本語」を使った。彼女の日本語は、朝鮮人の子どもたちが学校で習う日本語と「同じ」ことばだった。「それは方言のない学習用語で、標準語と言っていた」。植民二世の子どもの日本語は日本語を強いられた朝鮮人の子どもと同じ、生活のない人工語だった。(p.73) 別の箇所にもこういった記述が。 日韓条約後の一九六八年、森崎は亡くなった父の代理で、父が初代校長を務めた慶州中高等学校の開校三十周年記念式典に招待され、二十数年ぶりの韓国を訪れている。そこには父の教え子たちが森崎の訪韓を待っていた。(中略) 森崎は彼らに再会し、その日本語が昔のまま「なんのなまりもないことに激しいめまいを覚えた。」「日本に帰って来て、その
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