東日本大震災で被災した岩手県大船渡市で今月中旬から、ドイツの大学生や研究者と家族16人が半月の予定で、がれき撤去や福祉施設訪問などのボランティア活動をしている。東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染を懸念して離日したドイツ人が続出した中で「事故だけに目を向け、被災者の苦しみを忘れてはならない」と、地道な活動に打ち込んでいる。 (相坂穣、写真も) 一行は二十六日、大船渡市東部の入り江にある綾里漁港の岸壁で、側溝を埋めたままの土砂やヘドロを、シャベルですくい上げていた。多くはふだん、ベルリン自由大で教壇に立ったり、学んだりしている。津波で多数の漁船が流失した場所で、黙々と力仕事をこなした。