ブックマーク / hase0831.hatenablog.jp (5)

  • 閉じ込めておくことはできない - インターネットの備忘録

    金木犀の香りがする、という声をあちこちで見かけた。へえ、と思いながらも駅へ向かう道のりで確かにわたしも金木犀の香りを感じたような気がして、ああ、今年も秋が来るのだと思った。 子供の頃、通学路には様々な植物が植えてあって、その顔ぶれの移り変わりで季節を実感していた。つつじ、くちなし、ひまわり、そして金木犀。特に香りの強い金木犀は、花が開くとすぐに分かるので、学校からの帰り道、毎日のようにその小さなオレンジ色の花をじっと見つめ、匂いをよく嗅いでいた。自分の身長よりはるかに高い金木犀の樹に一歩近づくと、匂いがいっそう濃くなり、通学路から外れた自分が、その匂いの中に包まれてしまうような気分になった。 小学校5年か、6年のときだったと思う。やはり秋で、金木犀の香りが立ち始めた頃、どうしても我慢ができず、金木犀の花に手を伸ばして、摘んでしまったことがある。小さな鞠のようなオレンジ色のかたまりをひとつか

    閉じ込めておくことはできない - インターネットの備忘録
    nomatterxxx
    nomatterxxx 2016/09/30
    うつくしい。
  • あやふやなままでいい - インターネットの備忘録

    飲んだ酒の名前が最近、ぜんぜん覚えていられない。 さほど酔っているわけではないと思う(思いたい)のだけれど、すすめられて飲んだワイン、焼酎、日酒、ウイスキー、様々なおいしいお酒の名前が、次の日になると、すっかり忘却の彼方にいってしまう。 その瞬間に限って言えばはっきりとよく覚えた(つもりだ)し、名前の由来などを聞いて「へえ」と感心したりもしている。ラベルを眺めながら「そんな由来だなんて、素敵だね」、などと同席者と話して、類するエピソードを挙げて会話を楽しんだりもしていて、これは忘れないだろうと思っていても、よくて2〜3日、ひどいときには寝て起きると、何もかも忘れている。おいしかったからあれをまた頼もう、と思っていても、出てくる言葉はああなんだっけ、あの数字の書かれたラベルの、赤い、あのワイン。 昔のわたしは、こうではなかった。お店で酒をすすめられたら、真面目にラベルの文字をメモしたり必死

    あやふやなままでいい - インターネットの備忘録
    nomatterxxx
    nomatterxxx 2016/09/08
    ふかふかのベッドという表現がああああああ!(好き!)
  • それより僕と踊りませんか - インターネットの備忘録

    読みました。 zuisho.hatenadiary.jp 以前こんなことを書いた通り、わたしは誰かが書いたものを読むのが、当に好きです。 hase0831.hatenablog.jp なぜかというと、そこにはその人の生活があり、人生があり、たとえその表現に作為があったとしても、その作為を含めて、その人自身がそこにあらわれているからです。 生まれて死ぬ一生で出会える人の数は限られていて、そのうち深い部分の話まで出来るようになる人なんて、ほんのわずかです。こんにちは、はじめまして、と部屋のドアをノックして、怪しい者じゃないんです、あなたのことを知りたいんです、と説得して中に入れてもらうだけでもそれなり大変なのに、さらにその奥にある部屋に大切にしまわれている何かを見せてもらえるなんて、そうそうない。 でも、ブログや何かに書きつけられた言葉というのは、少なからずその大切な何かをあらわしていて、実

    それより僕と踊りませんか - インターネットの備忘録
    nomatterxxx
    nomatterxxx 2016/08/26
    共感。書かれたものを読む楽しさは、簡単には見せてもらえないものを見せてもらえるところにある∠( ˙-˙ )/
  • 人生は、わけわかんない - インターネットの備忘録

    最近、続けて後輩女子と事をする機会が続いて、飲みに行ったりランチしたり、なんだかたくさんの人の話を聞いています。 みんなそれぞれ悩んでるし、楽しんでるし、努力してて迷ってて、当にかわいい。そんな彼女たちに、わたしはいったい何を遺してあげられるかなあと考えることしきりなのですが、なんか、たいしたことはできないと思うので、だったら自分が彼女たちの数年後、十数年後の見として、毎日を楽しく生きるしかないんだろうなと思います。 みんなで大変に酔ったとき「そうやって何歳になっても新鮮で毎日を楽しんでいていいんだ、人生とか未来はキラキラしてるんだ、って生きてる先輩を見ているのが、今の頑張りの支えになってる」って泣きべそした子がいて、胸がつまりました。わかるよ、つらいよね、婚活とかさ、キャリアプランとかさ、人生設計とか将来とか老後とか考えろ考えろってうるさく言われても、わかんないことだらけだし、不安

    人生は、わけわかんない - インターネットの備忘録
    nomatterxxx
    nomatterxxx 2016/08/09
    人生はわけわかんないけど、でも大丈夫、どうにかなる!繰り返しそう言ってくれる人って、希少だよなあ。たいていの人が、不安を煽るばかりだもの。
  • あなたがわたしに魔法をかけてくれる - インターネットの備忘録

    心を許せる数少ない友人たちと、そのうちの一人の家でしたたか酔ってくつろいで、酔った勢いで手近にあったの文章を、朗読する機会がありました。文章を目で追いながら、その場で自分の声に変換していく作業は、楽しかった。酔いも手伝って、自分の声が上顎の骨を微細に揺らすのが心地よく、思ったより長く朗読をしてしまいました。 子供の頃、国語の授業が大好きでした。順番に指名される教科書の朗読を心待ちにしていて、初見でよどみなく読み終えて、褒められるのが、嬉しかったのです。 でも、ある時から自分の顔や形や声の音、それらの造形全部が好きではなくなってしまって、朗読する自分の声も、嫌いになりました。写真も動画も、撮られるのはすごく苦手です。見るたび「ああ、醜い」と思って、顔をしかめてしまうのです。きっかけは思春期ならではの自意識の強さだったのかもしれませんが、その感情を引きずったまま大人になってしまい、さらに一時

    あなたがわたしに魔法をかけてくれる - インターネットの備忘録
    nomatterxxx
    nomatterxxx 2016/08/03
    そっか、褒めてもらえることは、たしかに魔法かもしれない。じんわり、いい文章だなあ。
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