あるとき、仕事終わりの夫が、 一冊の古雑誌を手に帰ってきたことがありました。 その頃住んでいた家の近くには、なかなかに好い品揃えの古本屋さんがあり、 二人してよく足を運んでいたのですが、その日は夕方ふらりと立ち寄った際、 何気なく手にした雑誌の内容に衝撃を受けて思わず買ってしまったとのことでした。 それが『暮しの手帖』、第2世紀の第1号、私と花森安治さんとの最初の出会いです。 1969年に発刊されたその雑誌で、当時編集長を務めていらした花森安治さん。 現在NHKで放送されている、朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』では、 唐沢寿明さん演じる花山伊佐次さんのモデルとなっていらっしゃいます。 雑誌『美しい暮しの手帖』(現在『暮しの手帖』)の創刊に携わり、 以降、企画や編集、文章、表紙画、紙面構成から装釘まで、 多岐にわたってご活躍をされました。 さて、我が家にやってきた『暮しの手帖』の内容はと言