高校時代の俺は(今もだけど)何かと人に相談される立場で、特に恋愛関係のことならこいつに聞け状態になっていた。特に女子の間で。 さしてモテていたわけでもないのによくわからない。まあそれはともかく。 ある日クラスメイトのAくんからメールやってきて、「部活先で好きな人間がいる」と相談された。 男子の恋愛相談者は絶無とはいわんまでもそれなりに珍しい。特に女子に巻き込まれる形でなく、俺に直で相談するやつとなるとなおさらだ。 Aくんはひょうたんみたいなツラにひょうたんみたいな肌の色でひょうたんみたいな体型をした男の子で、きさくな人柄と抜群のユーモアセンスで古風な言い方だがクラスの中ではムードメーカーとして親しまれていた。こういうやつは恋愛事においてはえてして「良い人」止まりである。典型的なパターンだ。Aくんとその想い人は友人としては良好な関係であるが、その先に踏み出せないという。 その日、中