フェイスペインティングを施してもらっているスペインの女性。初の世界制覇目指して、気合い十分 【宇都宮徹壱】 大会31日目。この日の決勝をもって、ワールドカップ(W杯)の全日程は終了する。3位決定戦が行われたポートエリザベスから、10日ぶりにヨハネスブルクへ空路で移動。大会終了の寂寥(せきりょう)感に浸る余裕もないくらい、これから長い1日が始まる。送迎タクシーで、決勝の会場であるサッカーシティに向かう道すがら、何とはなしにカーラジオに耳を傾けていると、やはりDJの話題はファイナルで一色だった。 「今夜、サッカーシティで行われるオランダ対スペインの決勝で、今大会のチャンピオンが決まります。しかしながら真の、真の勝利者は、私たち“アフリカ”です!」 なるほど、確かにそうだなと思う。今大会は地元のバファナ・バファナ(南アフリカ代表の愛称。「少年たち」の意味)がグループリーグ敗退となり、一時はど