「データセンター事業者から電気料金を追加で請求されるケースが増えて困っている」。こんな話を,ある大手製造業の情報システム部門長から聞いた。どうやらこの企業が預けているサーバーやストレージなどの機器が,サービス事業者が想定していた以上の電力を消費したためのようだ。 データセンターが電力不足に陥り,ラックのスペースは空いているのにサービスを提供できないケースがあるという話は,去年あたりから何度か耳にした覚えがあった。そこで実際に,いくつかのデータセンター事業者に話を聞いてみると,電力事情はより深刻になっていることがわかった。 その度合いは,従来のデータセンター・サービスの考え方を一変させかねないと思われるほど高いように感じた。筆者は,このままではコロケーション・サービスと呼ばれる,いわゆる「場所貸し」のサービスを提供するのが困難になるのではないかと懸念している。消費電力をコントロールするのが難
![データセンターから“場所貸し”がなくなる日](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)