ロシアのウクライナ侵攻を受けて、多くの人々が第二次世界大戦中のソ連とフィンランドの戦争を思い出しています。孤立無援の中で勇敢に戦ったフィンランド人の勇気を現在のウクライナ人の姿に重ね合わせています。当時のソ連軍と現在のロシア軍の類似性にも驚かされます。拙著『世界の中の日本/グローバル化と北欧からの視点』(放送大学教育振興会、2015年)の第2章「戦うフィンランド」27∼50ページで、フィンランドの戦いについて紹介しました。その微調整版をアップいたします。 --- 「カレリア----。それはフィンランド民族の魂の土地だわ。民族詩カレワラが歌われた伝説の地よ。シベリウスの音楽はカレリアへの愛からうまれた。霧と沼、白樺と岩肌・・・」 アノイの言葉『霧のカレリア』から 霧のカレリア フィンランドの歴史を語って、感情的にならないのは難しい。その歴史を振り返ると、国際政治の冷厳な現実に直面せざるを得な