遅ればせながら、ウイリアム・フリードキンの『BUG/バグ』をDVDで鑑賞した。 劇中でも「あなたが話をしてるのは好きよ。何の話でも、虫の話ばかりであってもね」という、いかにもアメリカンでウィットに富んだセリフが登場するが、実際、恋人と部屋にこもって、たわいのない話をしたり、イチャイチャしたりするだけで、わりかし時間というのはすぐに経過してくれる。振り返ればそれはホントにたいしたことのない、実のない話だったりするのだが、恋人同士において、その空間/時間というのはわりかし重要視される。 ドライブに行かなくても、テレビを付けなくても、映画を見なくても、部屋という閉鎖された空間に、二人だけがいれば、それはそれで恋人同士の「世界」というものは成立してしまうものなのだ。もちろんそればかりではダメだが、まぁ実際、部屋でダラダラするのが好きというカップルは少なくないはずである。 この感覚は誰しもが持ち合わ