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2011年1月23日のブックマーク (2件)

  • 特殊な能力について - 内田樹の研究室

    京大の仏文の吉川一義先生にお招きいただいて、京大で講演をする。 吉川先生は東京都立大時代の同僚である。 同僚といっても、こちらは「お茶くみ、コピー取り」の助手であり、先生はプルースト研究者としてすでに一家をなしていたわけで、同列には論じがたいのであるが、まことにフレンドリーな先輩で、ご一緒したのは先生が東京女子大から赴任され、私が神戸女学院大学に去るまでの、二年間だけだったが、たいへん愉快な時間をともに過ごさせていただいた。 先生はフランス文学研究者としては例外的に「社会的常識のある方」である(という書き方をして仏文学者二千人をいきなり怒らせるというあたりに私の「社会的常識のなさ」は露呈しているので、そんな人間から「社会的常識のある方」と言われても「ウチダさんのその判断の蓋然性は誰が担保するのさ」と吉川先生は曇った顔をされるであろうが)。 世界的なレベルの学者でありながら、温厚で配慮の行き

  • 大人になって読み返したらスゴかった 「英文標準問題精講」

    「英文標準問題精講」(原仙作 著)。第5訂版。初版はなんと戦前の1933年。今も屋の大学受験コーナーに行けば売られている、参考書の古典中の古典である。 10年くらい前だろうか。大学受験する時に買ってはみたのだけれど、さっぱりわからんと放り投げたこの参考書を、なぜだか分からないがふと思い出し、棚の奥からひっぱり出してふむふむと読み進めてみたら面白くて止まらなくなってしまった。今では、寝る前に2、3の例文を読むことが最近の日課になってしまってすらいる。 アマゾンでの散々な評価[amazon:英文標準問題精講]で見れるように,このは確かに受験参考書としては使えない。より解説が豊富で効率的に要点を学べるが山ほど出ており、純粋に受験生の実用性でのみ評価した場合、もう役目を終えていると言っていいかもしれない。 しかしそれでも書の魅力自体は色あせていない。「英文標準問題精講」が持つ最大の魅力

    大人になって読み返したらスゴかった 「英文標準問題精講」