わたしは溺れかけたことがある。 わたしは泳ぎには自信があって、それが失敗の素だった。 何年経ってもその時の怖さは忘れられない。 とんでもなく怖かった要素の1つに、「わたしのせいで他の子も一緒に死ぬ」ということがある。 そうだ。わたしのせいで。わたしのせいでこの子も死ぬのだ。 それはとても恐ろしかった。 それから思ったのは「自分を過信してはいけない」ということ。文字で読めばあたりまえかもしれないけど、ほんとうに身にしみた。 理屈では、死ぬ気で手足を動かせば、わたしは泳げるわけで、なんとしてでも陸にたどり着けばいいわけ。 でも、しばらくすると思うように手足が動かなくなり、長く続くはずの息も続かなくなる。疲れが蓄積してくるのだ。 他の子を助けながら、ということや、以前よりも体力がなくなっていた、とかのマイナスの要素もあった。 [広告] 泳ぎにはかなり自信があった。 でも、溺れそうになった。 ぎり