2020年3月6日に日本公開される、歌手であり俳優のジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』。この映画の中にはジュディを長年愛する二人のゲイの人物が登場している。また、LGBTQ+の人たちが自らの象徴とするレインボーフラッグはジュディ・ガーランドが歌う「Over The Rainbow」がもとになっているとも広く語られる。では、なぜ彼女はゲイの人たちに好かれたのか? 彼女の何が彼ら/彼女らに届いたのか? アメリカ演劇・日本近現代演劇を中心とする演劇史・演劇批評が専門の成蹊大学文学部教授で、初の単著『アメリカン・ミュージカルとその時代』が3月25日に刊行予定の日比野 啓さんに、この疑問について解説頂きました。 ジュディ・ガーランドはゲイネスと同義である アメリカ人なら誰もがジュディ・ガーランドを伝説的なスターだと言う。だが彼女はまた、ゲイの人々にとっても特別の存在だった。196