未解決事件には時に、強烈な魅力が宿ることがある。事件という、何らかの被害者が存在する事柄に対して「魅力」という表現を使うことは適切ではないかもしれないが、そうとしか呼べない何かを持つ事件がある。 例えば「グリコ・森永事件」「三億円事件」「下山事件」。どれも昭和史を賑わし、現在に至るまで様々な憶測が語られ、物語などでも頻繁に使われる未解決事件だ。 それら未解決事件に、一般的なノンフィクションとは異なるアプローチで挑む作品を紹介しようと思う。うち2冊は小説である。そしてもう1冊は、親族の証言を元に事件取材に挑むというなかなかない切り口のノンフィクションである。いまだ解決されていない事件だからこそ持ちうる余白をどう埋めるのか。それぞれのアプローチを紹介しよう。 グリコ・森永事件を題材に描かれた「家族」 塩田武士『罪の声』 お菓子に毒を持ったと企業を脅迫し、社会を混乱に陥れた「グリコ・森永事件」を
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