シオラン という思想家がいる。 一般ではあまり知られていないこの思想家は、神と人間を否定する数々の書物を残した。数行の短い言葉からなるアフォリズムを特徴とし、シオランは万物を呪わんとする。 激怒 憂鬱 嫌悪 恐怖 憎悪 不安 絶望 ……その言葉の中ではあらゆる苦しみが渦を巻き、読む者に地獄を案内する。 今回はその一端を紹介する。 自殺のアフォリズム 悲痛のアフォリズム 文学のアフォリズム 孤独のアフォリズム シオランを読むためのブックガイド 自殺のアフォリズム 特に死に関する言葉において、シオランの舌鋒は激しい。 結局のところ、私たちが自殺しないのは、自殺の理由がありすぎるからだ。 『カイエ』 生の秘密の一切は、次の点に帰着する。すなわち、生には何の意味もないが、にもかかわらず私たちはそれぞれ生に意味を見出しているのである。 『思想の黄昏』 なぜ私は自殺しないのか。生同様、死が私に嫌悪感