(出所)厚生労働省などへの取材を基に編集部作成 詳しくはこちら 「介護業界の最大の課題はスタッフの確保だ。非常に難しくなっている」──。老人ホーム大手、チャーム・ケア・コーポレーションの下村隆彦社長はこう強調した。下村氏の指摘は介護施設経営者の誰もが抱いている懸念を表している。介護スタッフの有効求人倍率は2018年平均で3・90倍と全職業平均(1・61倍)の2倍を超える。特に都市部での不足感は著しく、東京都の同倍率は6・97(18年8月)に達する。 35年には68万人不足 人手不足の背景には介護職は重労働であるにもかかわらず、低賃金なことがある。厚生労働省によると、賞与込みの介護職員の月額給与は27万4000円と、全産業の平均値(36万6000円)を大きく下回る。同省の担当者は「勤続年数を重ねても、一般企業のように昇進・昇給の道が開けているわけではない」と、低賃金に陥る構造を指摘する。 介